「まずは克服してから」と思うほど、行動のタイミングは遠のいていきます。コンプレックスをなくすことにこだわるより、「今の自分でできる形」を見つけるほうが、現実は動き出します。完全に整うのを待たなくていい。抱えたままでも動ける道に目を向けることで、止まっていた時間に区切りをつけることができます。
「まず克服してから」は行動を止める条件になる
コンプレックスをなくさなければ何も始められないと思っていると、いつまでも行動に移すことができません。「この自分では不十分だ」と感じるたびに、それを直すことばかりに意識が向かい、結果として立ち止まったままになります。
たとえば、見た目に自信がない、話すのが苦手、自主性がないといった悩みを抱えていると、「まずはそれを克服しないと通用しない」と考えがちです。しかし、完全に自信を持てる状態は簡単には訪れません。何かを始める前提として克服を位置づけてしまうと、動き出すチャンスを逃し続けてしまいます。
行動するたびに「まだ十分じゃない」と思い直してしまう構造が続けば、自分への信頼は育たず、できない自分ばかりが強調されていきます。克服にとらわれるほど、動けない時間が長引いていきます。
コンプレックスを抱えたまま動ける道を探す
大切なのは、完全に整った状態を待つのではなく、今の自分で関われる方法を見つけることです。克服よりも、「抱えたままでも動ける形」を考える方が、現実的で前向きな一歩になります。
たとえば、会話に苦手意識があるなら、無理に話をリードしようとせず、必要な言葉だけを丁寧に伝える方法でも十分に信頼は築けます。見た目にコンプレックスがある場合でも、それを隠すための努力より、自分が落ち着ける振る舞いや装いを選ぶ方が、自然な安心感を生みます。